クニフロの泣ける話、感動する話まとめ
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2010/11/23
510 名前:大人になった名無しさん 投稿日: 2006/03/27(月)

俺の母親は、俺が2歳の時にがんで死んだそうだ。
まだ物心つく前のことだから、当時はあまり寂しいなんていう感情もあまりわかなかった。

俺が小学校に入学してすぐ、父母同伴の遠足があった。
父は仕事で忙しく、一緒に来られなかった。
一人お弁当を食べる俺を、友達のY君とそのお母さんが一緒に食べようって誘ってくれたので、寂しくもなかった。

でもなんとなく、Y君のお弁当に入っていた星形のにんじんがなぜだかとっても羨ましくなって、その日仕事から帰ったばかりの父に「僕のお弁当のにんじんも星の形がいい」ってお願いしたんだ。

当時の俺はガキなりにも母親がいないという家庭環境に気を使ったりしてて、「何でうちにはお母さんがいないの」なんてことも父には一度だって聞いたことがなかった。星の形のにんじんだって、ただ単純にかっこいいからって、羨ましかっただけだったんだ。

でも父にはそれが、母親がいない俺が一生懸命文句を言っているみたいに見えて、とても悲しかったらしい。

突然俺をかき抱いて「ごめんな、ごめんな」って言ってわんわん泣いたんだ。いつも厳しくって、何かいたずらをしようものなら遠慮なくゲンコツを落としてきた父の泣き顔を見たのはそれがはじめて。

同時に何で親父が泣いてるかわかっちゃって、俺も悲しくなって台所で男二人抱き合ってわんわん泣いた。

528 名前:大人になった名無しさん 投稿日:2006/03/27(月)

それからというもの、俺の弁当に入ってるにんじんは、ずっと星の形をしてた。高校になってもそれは続いて、いい加減恥ずかしくなってきて「もういいよ」なんて俺が言っても、
「お前だってそれを見るたび恥ずかしい過去を思い出せるだろ」って冗談めかして笑ったっけ。

そんな父も、今年結婚をした。
相手は俺が羨ましくなるくらい気立てのいい女性だ。

結婚式のスピーチの時、俺が「星の形のにんじん」の話をしたとき、親父は人前だってのに、またわんわん泣いた。

でもそんな親父よりも、再婚相手の女の人のほうがもらい泣きしてもっとわんわん泣いてたっけ。良い相手を見つけられて、ほんとうに良かったね。
心からおめでとう。そしてありがとう、お父さん。  

posted at 2012/03/14 21:41:08
lastupdate at 2012/03/14 23:01:22
修正
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2010/11/07
私が財布から紙幣を出していると、表のガラスドアが開いて、五、六歳くらいの
女の子が入ってきた。顔を赤くし、必死の面持ちで、
「あのう、すいません」
と言った。私の相手をしていた女性がはい、と言って女の子の方に向き直ると、
彼女は、
「あのう、チーズケーキはひとつ何円でしょうか」
と丁寧な口調で尋ねた。店員は女の子の必死の気配がおかしかったのか、
「四百三十円です」
と笑いながら応えた。女の子は漫画のついた自分のガマ口を開け、二百円、三百円・・・、
と声を出してお金を勘定していたが、
「ああ、ないー」
と悲しそうな声を出した。そして、
「どうもありがとうございましたー」
と泣きそうな顔で言うと、ガマ口も閉めず一礼してガラスドアの方へ向かって駆け出した。
すると彼女にとっては厄日だったか、ドアの前で人と衝突し、ガマ口からお金をばら撒いて
しまった。
子供にぶつかるとはなんという不注意な人間だろうと思って衝突相手を見ると、私の友人だった。
御手洗もさすがに悪いと思ったらしく、急いで屈み込むと、
「ああ、ごめんね」
と言いながら、女の子と一緒にお金を拾い集め出した。
「二百円、三百円、四百円・・・・・、あれえ、ほら、四百八十円あるじゃないか、チーズケーキが買えるよ」
と私の友人は、拾ったコインを女の子の小さな手に渡しながら言った。
「あれえ、本当だー」
と女の子は言った。
「駄目だよ、きちんと数えないと」
と、御手洗は笑いながら言った。女の子は嬉しそうにコインを握りしめ、私の横に戻ってきた。
どうやら女の子はチーズケーキを買うことができるようだった。
posted at 2012/03/23 23:45:49
lastupdate at 2012/03/23 23:45:49
修正
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2010/11/05
737 :おさかなくわえた名無しさん :2005/11/09(水) 02:11:02 ID:SsUK9Taf
友達と女4人で焼肉屋で飲んでた時。
経緯は忘れたけど、ジャンケンで負けた人が親に電話して
「生んでくれてありがとう」を言う、って流れになった。

電話つながった時から上の台詞を言うまでの会話は自由、
言った後電話切るまでも自由。
出身地の方言も可。
おふざけは厳禁、真剣に伝える事…というルール。
なぜか皆本気で、後には引かないとか言い出す始末。
初っ端から私が負け、
30分前に用事で電話したばかりの父に電話する事になった。

電話はつながり話し始めたものの
前置きばかり長くなり、外野は野次飛ばし始めるし
こっちは焦って頭真っ白になってくる。
昔は脱サラ親父なんて一生許さん、恥ずかしいとしか思ってなかったけど、
自分も仕事するようになって、最近では今の仕事してる父さんは
すごく誇りに思える。そんな父さんの娘に生まれて本当によかったと思う、
「生んでくれてありがとう」…って言った時、
顔上げたら友達皆泣いてやがった。
何人事で泣いてんだつーの。
でも「何や、どうした今日は」と言う父のほくほく顔が目に浮かんで、
電話切ってから、私も滝の様に涙出てきて声あげて泣いてしまった。

DQNばっかりの安っすい焼肉屋で、何やってんだろorz
でも泣けてきて仕方なかったんだよな。

posted at 2012/03/14 21:52:38
lastupdate at 2012/03/14 23:00:28
修正
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人は悪くねえが、大酒のみで怠け者の
魚屋の勝五郎。

金が入ると片っ端から質入して飲んで、
仕事もろくにしねえ。
店の家賃もずっと滞っているありさま。

今年も師走で、年越しも近けえっていうのに、
相変わらず仕事をも休み、大酒を食らって
寝てばかり。

女房の方は
今まで我慢に我慢を重ねていたが、
さすがに真夜中に亭主をたたき起こして、
このままじゃ年も越せないから
魚河岸へ仕入れに行ってくれとせっついた。

勝五郎はぶつくさ言って嫌がるが、
しぶしぶ天秤棒を担ぎ、
追い出されるように出かけた。
外に出てみると、
まだ夜も明けていない。

カカアの野郎、時間を間違えて早く起こしや
あがった、ふざけんな、ってことで
勝五郎、詮無く芝の浜に出て時間をつぶしすことにした。

海岸でぼんやりとたばこをふかし、
暗い沖合いを眺めているうち、
だんだん夜が明けてきた。

顔を洗おうと波打ち際に手を入れると、
何か触るものがある。
拾ってみるとボロボロの財布らしく、
指で中をさぐると確かに金。

かぞえてみると全部で四十二両。
こうなると、商売どころじゃーねえ。

当分は遊んで暮らせると、
家にとって返し、
あっけにとられる女房の尻をたたいて、
酒を買ってこさせ、
そのまま酔いつぶれて寝てしまった。

不意に女房が起こすので目を覚ますと、
年を越せないから仕入れに行ってくれと言う。

金は四十二両もあるじゃねえかとしかると、
どこにそんな金があるんだい、
おまえさん夢でも見てたんだよ、
と、いうじゃねえか。

聞いてみるとずっと寝ていて、
昼ごろ突然起きだし、大酒飲んで大騒ぎして
また酔いつぶれて寝てしまったという。

金を拾ったのは夢、
覚えのねえ大騒ぎは現実だというから、
さすがに勝五朗、自分が情けなくなった。

夢も現実もわからなくなちゃ終えだと、
今日から酒はきっぱりやめて仕事に精を出す
と、女房に誓った。

それから三年。
すっかり改心して商売に励んだ勝五郎。

得意先もつき、金もたまって、
今は小さいながら自分の店も構えた。

大晦日、片付けも全部済まして夫婦水入らずという時、
女房が見てもらいたいものがあると出したのは
紛れもない、あの時の四十二両。

実は勝五朗が寝た後
思い余って大家に相談に行くと、
拾った金など使えば後ろに手が回るから、
これは奉行所に届け、
夢だったの一点張りにしておけという。

そうして隠し通してきたが、拾った金は、
落とし主不明でとうにお下がりになっていた。

おまえさんが好きな酒もやめて
懸命に働くのを見るにつけ、
辛くて申し訳なくて、
陰で手を合わせていたと泣く女房。

「とんでもねえ。
おめえが夢にしてくれなかったら、
今ごろ、おれの首はなかったかもしれねえ。
手を合わせるのはこっちの方だ」

女房が、
もうおまえさんも大丈夫だからのんどくれ
と、酒を出す。

勝五郎は、そっと口に運んで、
「よそう。……また夢になるといけねえや」

posted at 2012/03/14 20:34:12
lastupdate at 2012/03/14 23:07:52
修正
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26 :大人の名無しさん :03/10/20 00:43 ID:wjqygkao
もう10年も前の話。
俺が京都の大学生だった頃、男2女2の4人組でいつも一緒に遊んでた。
そんな俺たちが4回生になり、全員めでたく就職も決まった。
「もうこうやってみんなで遊べるのも残りわずかだなー」とか4回生時の後期は話してたなあ。

そして卒業が近づいてきた二月ごろ、急に4人の内の2人が「結婚する」って言い出した。
俺を含む残り2人は、びっくりしつつも心から祝福したよ。それにすげえ羨ましかった。
残された2人で「何か羨ましすぎるから、俺たちも結婚しようか?」なんて言ってたら、
「じゃあお互い30歳になってもまだ独身だったら結婚しよう」
って話になった。
ありがちな話で恥ずかしいんだけどね。

そんなこんなで俺たちが25歳になった頃。
しばらく振りに仮フィアンセ(wに会った。
「あと5年で結婚するハメになっちゃうよ。結婚の予定ないのかよ」
って聞いたら、「全くナシ 」だって。
お互い笑いつつも、俺はちょっとホッとしてた。
この日、あ、俺本気でこの娘に惚れてるのか!って気が付いた。

27 :大人の名無しさん :03/10/20 00:44 ID:wjqygkao
その一ヵ月後くらいかな。脳内フィアンセが交通事故に遭ったのは。
即死だった。もうだめ。半狂乱みたくなっちゃって。仕事も長期休暇になった。
なんにもする気にならなくて、完全ヒッキー化してしまった。
そんな俺を助けてくれたのは、例の夫婦だった。
他県に住んでるのに毎週俺の様子を見に来てくれて。
たまには仕事休んでまで来てくれて。
「うっとーしい!もう来ないでくれ!」なんて言ってしまっても懲りずに来てくれて。
無理矢理酒を一緒に飲みに連れ出してくれて。
俺がなんとか仕事に復帰した時なんか、号泣してくれちゃって。
考えたらあいつらだって俺と同じくらい悲しかったはずなのに。

今は毎晩思うよ。ありがとなって。本当にありがとなって。
おまえらに見捨てられてたら俺、狂いすぎて自殺してたかもしれない。
救ってくれてありがとな。

そんで、脳内フィアンセよ。
もうとっくに30歳は過ぎちゃったけど、俺結婚することになったよ。
だから約束は守れない。
まあ半分以上冗談みたいな約束だったけどな(w
まあ見ていてくれよ。あいつらに負けないくらい仲のいい夫婦になってやるからさ。
posted at 2012/03/14 20:19:35
lastupdate at 2012/03/14 23:02:07
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2010/11/01
527 名前: 名無しさんの初恋 投稿日: 01/12/24 21:10 ID:SbW8Uf8Y

一昨年の今日に告白したんです。
生まれて初めての告白でした。

彼女は全盲でした。
それを知ったのは彼女のピアノの上手さに感動した後のことでした。
俺はすごくびっくりしました。
そして同時に、めちゃくちゃ悲しくもなりました。
そんで助けてあげたかった。
なんでもいいから、俺は彼女の力になりたかったんです。

今思うとそれは俺のエゴだったんですけどね。
彼女は全盲だということをあまり意識されたくないようでした。
俺がやれる事は、彼女のピアノを聴いてあげることと、
日頃の悩みや、其の日の出来事を聞いてあげることでした。
そんなコトをしてるうちに俺は彼女の優しさや強さに惹かれました。

そしてイブの夜、Xmasパーティーの帰りで彼女が車を待つ間に
思い切って告白しました。「大好きだ」ってね。
そしたら彼女がもーちょっと近づいてくれっていうんです。
俺は言われるまま近づいた、そしたら。

彼女は優しく俺の顔に両手で触れたと思ったら、
そのまま唇を合わせたんです。
全盲の子ですよ?俺は嬉しさと驚きと、とにかくすごい色々な
感情が廻ってきて、 泣きました。
いつも彼女に「泣くのはカッコ悪い」って言ってたのに。
間違いなく声でばれてんのに、
彼女は気付かないふりをしてくれました。

530 名前: 文章下手でゴメンネ 投稿日: 01/12/24 21:24 ID:SbW8Uf8Y

その後彼女はいろいろな経緯を経て手術をすることになり、
しばらく離れ離れになったわけです。
其の間俺はめちゃくちゃ不安でつぶれそうでした。
ただひたすら手術の成功を祈りつづける毎日。
失敗したらどうなるかは教えてもらえなかったし、調べなかった。
そんな勇気さっぱりなかったんです。

で、祈りが通じたのかな、手術は成功して、彼女の目に
光が戻って。其の後初めて俺と会ったとき、彼女は俺の事
これでもかってくらい抱きしめてくれました。
手術が不安な時、俺に励まされたこととか思い出したって
いってくれました。俺はこのときも泣いてしまいました。
「もうしらないふりできないからね」
俺は其のセリフに感動して、彼女のことを負けないくらい抱きしめて
そんで其の時初めて俺のほうから彼女にキスしました。
(告白の時からずっとしたことなかった)

今もまたーりと仲良くやっています。
工房の稚拙な文章でゴメンナサイ。
posted at 2012/03/14 18:23:19
lastupdate at 2012/03/14 18:23:19
修正
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