
2025 / 10 «« ■ »» |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
meaning of mark ::
nothing ,
comment ,
trackback ,
comment and trackback




Counter
total : 1413899
yesterday : 009 / today : 025
Profile
インターネットで公開している、泣ける話、感動する話をまとめています。号泣できる話から、ほっこりと心温まる話をいろいろ集めてますので、楽しんでください。
Menu
RSS & Atom Feed
Pickup Photo!
Recent Diary
Recent TrackBack
Recent Comments
2010/10/23
[泣ける話]
258 名無しさん 05/02/19 11:04:25 ID:OlJTzvEB
J( 'ー`)し 漏れのカーチャンは中卒だった。
貧乏だったから小学校も、中学校もほとんど行かずに
家業の手伝いをしていたようだ。
259 名無しさん 05/02/19 11:05:53 ID:OlJTzvEB
そして食いぶち減らしのために若くして結婚。
.(*'∀`) J(ー`, )し
| <∞> @@*@@
|U..V |⊃⊂ ⊃
.@| : | /∞ ∞\
..U..U 〜〜〜〜〜〜
それでも いつも「父さんで良かったよ」って言ってた。
260 名無しさん 05/02/19 11:07:06 ID:OlJTzvEB
自分に学が無いからって、
必死で働いて俺を学校にいかせてくれた。
{ } { } イツモ オソクマデ
イエ… J( 'ー`)し (‐` ) タイヘンダネ
(ヽ= ( )
( ( | | ││
自分のことには何にもお金を使わない人だった。
261 名無しさん 05/02/19 11:08:36 ID:OlJTzvEB
漏れも就職して、もう中堅社員だってのに
出張の度「何かあると困るから」って
封筒に金を入れて無理やり漏れに渡してくれてた。
_____
/ ヽ____//
/ / /
/ / 毒 /
/ / 男 /
/ / え /
/ / /
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
封筒には「毒男え」って書いてあった。
いつも漏れが
('A`) 「え」じゃない「へ」だろって言っても
J( '-`)し お母さん学がないから…ごめんね…
って言ってた。
262 名無しさん 05/02/19 11:10:14 ID:OlJTzvEB
そんなお袋が癌になった。
.J(;´-`)し ウーンウーン…
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
| |
もうどうにもならなかった。
カーチャンには隠してたけど気づいていたようだ。
最後まで漏れは親孝行できなかった。
付き添ってやるくらいしか…
263 名無しさん 05/02/19 11:11:19 ID:OlJTzvEB
なのにカーチャン、最後に
「お母さんの子に生まれてくれてありがとうね」って言ったんだ。
| ___ | < オカアサンノコニウマレテクレテ
| .J(;´-`)し | アリガトウネ…
| | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |Σ('A`) !?
| | .|| ( )ゞ
| | .|| ||
| | .||
母さん。
僕のほうこそありがとう。
ここにきてるヤシは
元気なうちにかーちゃんに孝行してやってくれ。
頼むから…。
J( 'ー`)し 漏れのカーチャンは中卒だった。
貧乏だったから小学校も、中学校もほとんど行かずに
家業の手伝いをしていたようだ。
259 名無しさん 05/02/19 11:05:53 ID:OlJTzvEB
そして食いぶち減らしのために若くして結婚。
.(*'∀`) J(ー`, )し
| <∞> @@*@@
|U..V |⊃⊂ ⊃
.@| : | /∞ ∞\
..U..U 〜〜〜〜〜〜
それでも いつも「父さんで良かったよ」って言ってた。
260 名無しさん 05/02/19 11:07:06 ID:OlJTzvEB
自分に学が無いからって、
必死で働いて俺を学校にいかせてくれた。
{ } { } イツモ オソクマデ
イエ… J( 'ー`)し (‐` ) タイヘンダネ
(ヽ= ( )
( ( | | ││
自分のことには何にもお金を使わない人だった。
261 名無しさん 05/02/19 11:08:36 ID:OlJTzvEB
漏れも就職して、もう中堅社員だってのに
出張の度「何かあると困るから」って
封筒に金を入れて無理やり漏れに渡してくれてた。
_____
/ ヽ____//
/ / /
/ / 毒 /
/ / 男 /
/ / え /
/ / /
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
封筒には「毒男え」って書いてあった。
いつも漏れが
('A`) 「え」じゃない「へ」だろって言っても
J( '-`)し お母さん学がないから…ごめんね…
って言ってた。
262 名無しさん 05/02/19 11:10:14 ID:OlJTzvEB
そんなお袋が癌になった。
.J(;´-`)し ウーンウーン…
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
| |
もうどうにもならなかった。
カーチャンには隠してたけど気づいていたようだ。
最後まで漏れは親孝行できなかった。
付き添ってやるくらいしか…
263 名無しさん 05/02/19 11:11:19 ID:OlJTzvEB
なのにカーチャン、最後に
「お母さんの子に生まれてくれてありがとうね」って言ったんだ。
| ___ | < オカアサンノコニウマレテクレテ
| .J(;´-`)し | アリガトウネ…
| | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |Σ('A`) !?
| | .|| ( )ゞ
| | .|| ||
| | .||
母さん。
僕のほうこそありがとう。
ここにきてるヤシは
元気なうちにかーちゃんに孝行してやってくれ。
頼むから…。
posted at 2012/03/14 22:28:17
lastupdate at 2012/03/14 23:06:32
【修正】
2010/11/01
[泣ける話]
527 名前: 名無しさんの初恋 投稿日: 01/12/24 21:10 ID:SbW8Uf8Y
一昨年の今日に告白したんです。
生まれて初めての告白でした。
彼女は全盲でした。
それを知ったのは彼女のピアノの上手さに感動した後のことでした。
俺はすごくびっくりしました。
そして同時に、めちゃくちゃ悲しくもなりました。
そんで助けてあげたかった。
なんでもいいから、俺は彼女の力になりたかったんです。
今思うとそれは俺のエゴだったんですけどね。
彼女は全盲だということをあまり意識されたくないようでした。
俺がやれる事は、彼女のピアノを聴いてあげることと、
日頃の悩みや、其の日の出来事を聞いてあげることでした。
そんなコトをしてるうちに俺は彼女の優しさや強さに惹かれました。
そしてイブの夜、Xmasパーティーの帰りで彼女が車を待つ間に
思い切って告白しました。「大好きだ」ってね。
そしたら彼女がもーちょっと近づいてくれっていうんです。
俺は言われるまま近づいた、そしたら。
彼女は優しく俺の顔に両手で触れたと思ったら、
そのまま唇を合わせたんです。
全盲の子ですよ?俺は嬉しさと驚きと、とにかくすごい色々な
感情が廻ってきて、 泣きました。
いつも彼女に「泣くのはカッコ悪い」って言ってたのに。
間違いなく声でばれてんのに、
彼女は気付かないふりをしてくれました。
530 名前: 文章下手でゴメンネ 投稿日: 01/12/24 21:24 ID:SbW8Uf8Y
その後彼女はいろいろな経緯を経て手術をすることになり、
しばらく離れ離れになったわけです。
其の間俺はめちゃくちゃ不安でつぶれそうでした。
ただひたすら手術の成功を祈りつづける毎日。
失敗したらどうなるかは教えてもらえなかったし、調べなかった。
そんな勇気さっぱりなかったんです。
で、祈りが通じたのかな、手術は成功して、彼女の目に
光が戻って。其の後初めて俺と会ったとき、彼女は俺の事
これでもかってくらい抱きしめてくれました。
手術が不安な時、俺に励まされたこととか思い出したって
いってくれました。俺はこのときも泣いてしまいました。
「もうしらないふりできないからね」
俺は其のセリフに感動して、彼女のことを負けないくらい抱きしめて
そんで其の時初めて俺のほうから彼女にキスしました。
(告白の時からずっとしたことなかった)
今もまたーりと仲良くやっています。
工房の稚拙な文章でゴメンナサイ。
一昨年の今日に告白したんです。
生まれて初めての告白でした。
彼女は全盲でした。
それを知ったのは彼女のピアノの上手さに感動した後のことでした。
俺はすごくびっくりしました。
そして同時に、めちゃくちゃ悲しくもなりました。
そんで助けてあげたかった。
なんでもいいから、俺は彼女の力になりたかったんです。
今思うとそれは俺のエゴだったんですけどね。
彼女は全盲だということをあまり意識されたくないようでした。
俺がやれる事は、彼女のピアノを聴いてあげることと、
日頃の悩みや、其の日の出来事を聞いてあげることでした。
そんなコトをしてるうちに俺は彼女の優しさや強さに惹かれました。
そしてイブの夜、Xmasパーティーの帰りで彼女が車を待つ間に
思い切って告白しました。「大好きだ」ってね。
そしたら彼女がもーちょっと近づいてくれっていうんです。
俺は言われるまま近づいた、そしたら。
彼女は優しく俺の顔に両手で触れたと思ったら、
そのまま唇を合わせたんです。
全盲の子ですよ?俺は嬉しさと驚きと、とにかくすごい色々な
感情が廻ってきて、 泣きました。
いつも彼女に「泣くのはカッコ悪い」って言ってたのに。
間違いなく声でばれてんのに、
彼女は気付かないふりをしてくれました。
530 名前: 文章下手でゴメンネ 投稿日: 01/12/24 21:24 ID:SbW8Uf8Y
その後彼女はいろいろな経緯を経て手術をすることになり、
しばらく離れ離れになったわけです。
其の間俺はめちゃくちゃ不安でつぶれそうでした。
ただひたすら手術の成功を祈りつづける毎日。
失敗したらどうなるかは教えてもらえなかったし、調べなかった。
そんな勇気さっぱりなかったんです。
で、祈りが通じたのかな、手術は成功して、彼女の目に
光が戻って。其の後初めて俺と会ったとき、彼女は俺の事
これでもかってくらい抱きしめてくれました。
手術が不安な時、俺に励まされたこととか思い出したって
いってくれました。俺はこのときも泣いてしまいました。
「もうしらないふりできないからね」
俺は其のセリフに感動して、彼女のことを負けないくらい抱きしめて
そんで其の時初めて俺のほうから彼女にキスしました。
(告白の時からずっとしたことなかった)
今もまたーりと仲良くやっています。
工房の稚拙な文章でゴメンナサイ。
posted at 2012/03/14 18:23:19
lastupdate at 2012/03/14 18:23:19
【修正】
2010/11/05
[泣ける話]
26 :大人の名無しさん :03/10/20 00:43 ID:wjqygkao
もう10年も前の話。
俺が京都の大学生だった頃、男2女2の4人組でいつも一緒に遊んでた。
そんな俺たちが4回生になり、全員めでたく就職も決まった。
「もうこうやってみんなで遊べるのも残りわずかだなー」とか4回生時の後期は話してたなあ。
そして卒業が近づいてきた二月ごろ、急に4人の内の2人が「結婚する」って言い出した。
俺を含む残り2人は、びっくりしつつも心から祝福したよ。それにすげえ羨ましかった。
残された2人で「何か羨ましすぎるから、俺たちも結婚しようか?」なんて言ってたら、
「じゃあお互い30歳になってもまだ独身だったら結婚しよう」
って話になった。
ありがちな話で恥ずかしいんだけどね。
そんなこんなで俺たちが25歳になった頃。
しばらく振りに仮フィアンセ(wに会った。
「あと5年で結婚するハメになっちゃうよ。結婚の予定ないのかよ」
って聞いたら、「全くナシ 」だって。
お互い笑いつつも、俺はちょっとホッとしてた。
この日、あ、俺本気でこの娘に惚れてるのか!って気が付いた。
27 :大人の名無しさん :03/10/20 00:44 ID:wjqygkao
その一ヵ月後くらいかな。脳内フィアンセが交通事故に遭ったのは。
即死だった。もうだめ。半狂乱みたくなっちゃって。仕事も長期休暇になった。
なんにもする気にならなくて、完全ヒッキー化してしまった。
そんな俺を助けてくれたのは、例の夫婦だった。
他県に住んでるのに毎週俺の様子を見に来てくれて。
たまには仕事休んでまで来てくれて。
「うっとーしい!もう来ないでくれ!」なんて言ってしまっても懲りずに来てくれて。
無理矢理酒を一緒に飲みに連れ出してくれて。
俺がなんとか仕事に復帰した時なんか、号泣してくれちゃって。
考えたらあいつらだって俺と同じくらい悲しかったはずなのに。
今は毎晩思うよ。ありがとなって。本当にありがとなって。
おまえらに見捨てられてたら俺、狂いすぎて自殺してたかもしれない。
救ってくれてありがとな。
そんで、脳内フィアンセよ。
もうとっくに30歳は過ぎちゃったけど、俺結婚することになったよ。
だから約束は守れない。
まあ半分以上冗談みたいな約束だったけどな(w
まあ見ていてくれよ。あいつらに負けないくらい仲のいい夫婦になってやるからさ。
posted at 2012/03/14 20:19:35
lastupdate at 2012/03/14 23:02:07
【修正】
[泣ける話]
人は悪くねえが、大酒のみで怠け者の
魚屋の勝五郎。
金が入ると片っ端から質入して飲んで、
仕事もろくにしねえ。
店の家賃もずっと滞っているありさま。
今年も師走で、年越しも近けえっていうのに、
相変わらず仕事をも休み、大酒を食らって
寝てばかり。
女房の方は
今まで我慢に我慢を重ねていたが、
さすがに真夜中に亭主をたたき起こして、
このままじゃ年も越せないから
魚河岸へ仕入れに行ってくれとせっついた。
勝五郎はぶつくさ言って嫌がるが、
しぶしぶ天秤棒を担ぎ、
追い出されるように出かけた。
外に出てみると、
まだ夜も明けていない。
カカアの野郎、時間を間違えて早く起こしや
あがった、ふざけんな、ってことで
勝五郎、詮無く芝の浜に出て時間をつぶしすことにした。
海岸でぼんやりとたばこをふかし、
暗い沖合いを眺めているうち、
だんだん夜が明けてきた。
顔を洗おうと波打ち際に手を入れると、
何か触るものがある。
拾ってみるとボロボロの財布らしく、
指で中をさぐると確かに金。
かぞえてみると全部で四十二両。
こうなると、商売どころじゃーねえ。
当分は遊んで暮らせると、
家にとって返し、
あっけにとられる女房の尻をたたいて、
酒を買ってこさせ、
そのまま酔いつぶれて寝てしまった。
不意に女房が起こすので目を覚ますと、
年を越せないから仕入れに行ってくれと言う。
金は四十二両もあるじゃねえかとしかると、
どこにそんな金があるんだい、
おまえさん夢でも見てたんだよ、
と、いうじゃねえか。
聞いてみるとずっと寝ていて、
昼ごろ突然起きだし、大酒飲んで大騒ぎして
また酔いつぶれて寝てしまったという。
金を拾ったのは夢、
覚えのねえ大騒ぎは現実だというから、
さすがに勝五朗、自分が情けなくなった。
夢も現実もわからなくなちゃ終えだと、
今日から酒はきっぱりやめて仕事に精を出す
と、女房に誓った。
それから三年。
すっかり改心して商売に励んだ勝五郎。
得意先もつき、金もたまって、
今は小さいながら自分の店も構えた。
大晦日、片付けも全部済まして夫婦水入らずという時、
女房が見てもらいたいものがあると出したのは
紛れもない、あの時の四十二両。
実は勝五朗が寝た後
思い余って大家に相談に行くと、
拾った金など使えば後ろに手が回るから、
これは奉行所に届け、
夢だったの一点張りにしておけという。
そうして隠し通してきたが、拾った金は、
落とし主不明でとうにお下がりになっていた。
おまえさんが好きな酒もやめて
懸命に働くのを見るにつけ、
辛くて申し訳なくて、
陰で手を合わせていたと泣く女房。
「とんでもねえ。
おめえが夢にしてくれなかったら、
今ごろ、おれの首はなかったかもしれねえ。
手を合わせるのはこっちの方だ」
女房が、
もうおまえさんも大丈夫だからのんどくれ
と、酒を出す。
勝五郎は、そっと口に運んで、
「よそう。……また夢になるといけねえや」
魚屋の勝五郎。
金が入ると片っ端から質入して飲んで、
仕事もろくにしねえ。
店の家賃もずっと滞っているありさま。
今年も師走で、年越しも近けえっていうのに、
相変わらず仕事をも休み、大酒を食らって
寝てばかり。
女房の方は
今まで我慢に我慢を重ねていたが、
さすがに真夜中に亭主をたたき起こして、
このままじゃ年も越せないから
魚河岸へ仕入れに行ってくれとせっついた。
勝五郎はぶつくさ言って嫌がるが、
しぶしぶ天秤棒を担ぎ、
追い出されるように出かけた。
外に出てみると、
まだ夜も明けていない。
カカアの野郎、時間を間違えて早く起こしや
あがった、ふざけんな、ってことで
勝五郎、詮無く芝の浜に出て時間をつぶしすことにした。
海岸でぼんやりとたばこをふかし、
暗い沖合いを眺めているうち、
だんだん夜が明けてきた。
顔を洗おうと波打ち際に手を入れると、
何か触るものがある。
拾ってみるとボロボロの財布らしく、
指で中をさぐると確かに金。
かぞえてみると全部で四十二両。
こうなると、商売どころじゃーねえ。
当分は遊んで暮らせると、
家にとって返し、
あっけにとられる女房の尻をたたいて、
酒を買ってこさせ、
そのまま酔いつぶれて寝てしまった。
不意に女房が起こすので目を覚ますと、
年を越せないから仕入れに行ってくれと言う。
金は四十二両もあるじゃねえかとしかると、
どこにそんな金があるんだい、
おまえさん夢でも見てたんだよ、
と、いうじゃねえか。
聞いてみるとずっと寝ていて、
昼ごろ突然起きだし、大酒飲んで大騒ぎして
また酔いつぶれて寝てしまったという。
金を拾ったのは夢、
覚えのねえ大騒ぎは現実だというから、
さすがに勝五朗、自分が情けなくなった。
夢も現実もわからなくなちゃ終えだと、
今日から酒はきっぱりやめて仕事に精を出す
と、女房に誓った。
それから三年。
すっかり改心して商売に励んだ勝五郎。
得意先もつき、金もたまって、
今は小さいながら自分の店も構えた。
大晦日、片付けも全部済まして夫婦水入らずという時、
女房が見てもらいたいものがあると出したのは
紛れもない、あの時の四十二両。
実は勝五朗が寝た後
思い余って大家に相談に行くと、
拾った金など使えば後ろに手が回るから、
これは奉行所に届け、
夢だったの一点張りにしておけという。
そうして隠し通してきたが、拾った金は、
落とし主不明でとうにお下がりになっていた。
おまえさんが好きな酒もやめて
懸命に働くのを見るにつけ、
辛くて申し訳なくて、
陰で手を合わせていたと泣く女房。
「とんでもねえ。
おめえが夢にしてくれなかったら、
今ごろ、おれの首はなかったかもしれねえ。
手を合わせるのはこっちの方だ」
女房が、
もうおまえさんも大丈夫だからのんどくれ
と、酒を出す。
勝五郎は、そっと口に運んで、
「よそう。……また夢になるといけねえや」
posted at 2012/03/14 20:34:12
lastupdate at 2012/03/14 23:07:52
【修正】
[泣ける話]
737 :おさかなくわえた名無しさん :2005/11/09(水) 02:11:02 ID:SsUK9Taf
友達と女4人で焼肉屋で飲んでた時。
経緯は忘れたけど、ジャンケンで負けた人が親に電話して
「生んでくれてありがとう」を言う、って流れになった。
電話つながった時から上の台詞を言うまでの会話は自由、
言った後電話切るまでも自由。
出身地の方言も可。
おふざけは厳禁、真剣に伝える事…というルール。
なぜか皆本気で、後には引かないとか言い出す始末。
初っ端から私が負け、
30分前に用事で電話したばかりの父に電話する事になった。
電話はつながり話し始めたものの
前置きばかり長くなり、外野は野次飛ばし始めるし
こっちは焦って頭真っ白になってくる。
昔は脱サラ親父なんて一生許さん、恥ずかしいとしか思ってなかったけど、
自分も仕事するようになって、最近では今の仕事してる父さんは
すごく誇りに思える。そんな父さんの娘に生まれて本当によかったと思う、
「生んでくれてありがとう」…って言った時、
顔上げたら友達皆泣いてやがった。
何人事で泣いてんだつーの。
でも「何や、どうした今日は」と言う父のほくほく顔が目に浮かんで、
電話切ってから、私も滝の様に涙出てきて声あげて泣いてしまった。
DQNばっかりの安っすい焼肉屋で、何やってんだろorz
でも泣けてきて仕方なかったんだよな。
友達と女4人で焼肉屋で飲んでた時。
経緯は忘れたけど、ジャンケンで負けた人が親に電話して
「生んでくれてありがとう」を言う、って流れになった。
電話つながった時から上の台詞を言うまでの会話は自由、
言った後電話切るまでも自由。
出身地の方言も可。
おふざけは厳禁、真剣に伝える事…というルール。
なぜか皆本気で、後には引かないとか言い出す始末。
初っ端から私が負け、
30分前に用事で電話したばかりの父に電話する事になった。
電話はつながり話し始めたものの
前置きばかり長くなり、外野は野次飛ばし始めるし
こっちは焦って頭真っ白になってくる。
昔は脱サラ親父なんて一生許さん、恥ずかしいとしか思ってなかったけど、
自分も仕事するようになって、最近では今の仕事してる父さんは
すごく誇りに思える。そんな父さんの娘に生まれて本当によかったと思う、
「生んでくれてありがとう」…って言った時、
顔上げたら友達皆泣いてやがった。
何人事で泣いてんだつーの。
でも「何や、どうした今日は」と言う父のほくほく顔が目に浮かんで、
電話切ってから、私も滝の様に涙出てきて声あげて泣いてしまった。
DQNばっかりの安っすい焼肉屋で、何やってんだろorz
でも泣けてきて仕方なかったんだよな。
posted at 2012/03/14 21:52:38
lastupdate at 2012/03/14 23:00:28
【修正】
2010/11/07
[泣ける話]
私が財布から紙幣を出していると、表のガラスドアが開いて、五、六歳くらいの
女の子が入ってきた。顔を赤くし、必死の面持ちで、
「あのう、すいません」
と言った。私の相手をしていた女性がはい、と言って女の子の方に向き直ると、
彼女は、
「あのう、チーズケーキはひとつ何円でしょうか」
と丁寧な口調で尋ねた。店員は女の子の必死の気配がおかしかったのか、
「四百三十円です」
と笑いながら応えた。女の子は漫画のついた自分のガマ口を開け、二百円、三百円・・・、
と声を出してお金を勘定していたが、
「ああ、ないー」
と悲しそうな声を出した。そして、
「どうもありがとうございましたー」
と泣きそうな顔で言うと、ガマ口も閉めず一礼してガラスドアの方へ向かって駆け出した。
すると彼女にとっては厄日だったか、ドアの前で人と衝突し、ガマ口からお金をばら撒いて
しまった。
子供にぶつかるとはなんという不注意な人間だろうと思って衝突相手を見ると、私の友人だった。
御手洗もさすがに悪いと思ったらしく、急いで屈み込むと、
「ああ、ごめんね」
と言いながら、女の子と一緒にお金を拾い集め出した。
「二百円、三百円、四百円・・・・・、あれえ、ほら、四百八十円あるじゃないか、チーズケーキが買えるよ」
と私の友人は、拾ったコインを女の子の小さな手に渡しながら言った。
「あれえ、本当だー」
と女の子は言った。
「駄目だよ、きちんと数えないと」
と、御手洗は笑いながら言った。女の子は嬉しそうにコインを握りしめ、私の横に戻ってきた。
どうやら女の子はチーズケーキを買うことができるようだった。
女の子が入ってきた。顔を赤くし、必死の面持ちで、
「あのう、すいません」
と言った。私の相手をしていた女性がはい、と言って女の子の方に向き直ると、
彼女は、
「あのう、チーズケーキはひとつ何円でしょうか」
と丁寧な口調で尋ねた。店員は女の子の必死の気配がおかしかったのか、
「四百三十円です」
と笑いながら応えた。女の子は漫画のついた自分のガマ口を開け、二百円、三百円・・・、
と声を出してお金を勘定していたが、
「ああ、ないー」
と悲しそうな声を出した。そして、
「どうもありがとうございましたー」
と泣きそうな顔で言うと、ガマ口も閉めず一礼してガラスドアの方へ向かって駆け出した。
すると彼女にとっては厄日だったか、ドアの前で人と衝突し、ガマ口からお金をばら撒いて
しまった。
子供にぶつかるとはなんという不注意な人間だろうと思って衝突相手を見ると、私の友人だった。
御手洗もさすがに悪いと思ったらしく、急いで屈み込むと、
「ああ、ごめんね」
と言いながら、女の子と一緒にお金を拾い集め出した。
「二百円、三百円、四百円・・・・・、あれえ、ほら、四百八十円あるじゃないか、チーズケーキが買えるよ」
と私の友人は、拾ったコインを女の子の小さな手に渡しながら言った。
「あれえ、本当だー」
と女の子は言った。
「駄目だよ、きちんと数えないと」
と、御手洗は笑いながら言った。女の子は嬉しそうにコインを握りしめ、私の横に戻ってきた。
どうやら女の子はチーズケーキを買うことができるようだった。
posted at 2012/03/23 23:45:49
lastupdate at 2012/03/23 23:45:49
【修正】
2010/11/23
[泣ける話]
510 名前:大人になった名無しさん 投稿日: 2006/03/27(月)
俺の母親は、俺が2歳の時にがんで死んだそうだ。
まだ物心つく前のことだから、当時はあまり寂しいなんていう感情もあまりわかなかった。
俺が小学校に入学してすぐ、父母同伴の遠足があった。
父は仕事で忙しく、一緒に来られなかった。
一人お弁当を食べる俺を、友達のY君とそのお母さんが一緒に食べようって誘ってくれたので、寂しくもなかった。
でもなんとなく、Y君のお弁当に入っていた星形のにんじんがなぜだかとっても羨ましくなって、その日仕事から帰ったばかりの父に「僕のお弁当のにんじんも星の形がいい」ってお願いしたんだ。
当時の俺はガキなりにも母親がいないという家庭環境に気を使ったりしてて、「何でうちにはお母さんがいないの」なんてことも父には一度だって聞いたことがなかった。星の形のにんじんだって、ただ単純にかっこいいからって、羨ましかっただけだったんだ。
でも父にはそれが、母親がいない俺が一生懸命文句を言っているみたいに見えて、とても悲しかったらしい。
突然俺をかき抱いて「ごめんな、ごめんな」って言ってわんわん泣いたんだ。いつも厳しくって、何かいたずらをしようものなら遠慮なくゲンコツを落としてきた父の泣き顔を見たのはそれがはじめて。
同時に何で親父が泣いてるかわかっちゃって、俺も悲しくなって台所で男二人抱き合ってわんわん泣いた。
528 名前:大人になった名無しさん 投稿日:2006/03/27(月)
それからというもの、俺の弁当に入ってるにんじんは、ずっと星の形をしてた。高校になってもそれは続いて、いい加減恥ずかしくなってきて「もういいよ」なんて俺が言っても、
「お前だってそれを見るたび恥ずかしい過去を思い出せるだろ」って冗談めかして笑ったっけ。
そんな父も、今年結婚をした。
相手は俺が羨ましくなるくらい気立てのいい女性だ。
結婚式のスピーチの時、俺が「星の形のにんじん」の話をしたとき、親父は人前だってのに、またわんわん泣いた。
でもそんな親父よりも、再婚相手の女の人のほうがもらい泣きしてもっとわんわん泣いてたっけ。良い相手を見つけられて、ほんとうに良かったね。
心からおめでとう。そしてありがとう、お父さん。
俺の母親は、俺が2歳の時にがんで死んだそうだ。
まだ物心つく前のことだから、当時はあまり寂しいなんていう感情もあまりわかなかった。
俺が小学校に入学してすぐ、父母同伴の遠足があった。
父は仕事で忙しく、一緒に来られなかった。
一人お弁当を食べる俺を、友達のY君とそのお母さんが一緒に食べようって誘ってくれたので、寂しくもなかった。
でもなんとなく、Y君のお弁当に入っていた星形のにんじんがなぜだかとっても羨ましくなって、その日仕事から帰ったばかりの父に「僕のお弁当のにんじんも星の形がいい」ってお願いしたんだ。
当時の俺はガキなりにも母親がいないという家庭環境に気を使ったりしてて、「何でうちにはお母さんがいないの」なんてことも父には一度だって聞いたことがなかった。星の形のにんじんだって、ただ単純にかっこいいからって、羨ましかっただけだったんだ。
でも父にはそれが、母親がいない俺が一生懸命文句を言っているみたいに見えて、とても悲しかったらしい。
突然俺をかき抱いて「ごめんな、ごめんな」って言ってわんわん泣いたんだ。いつも厳しくって、何かいたずらをしようものなら遠慮なくゲンコツを落としてきた父の泣き顔を見たのはそれがはじめて。
同時に何で親父が泣いてるかわかっちゃって、俺も悲しくなって台所で男二人抱き合ってわんわん泣いた。
528 名前:大人になった名無しさん 投稿日:2006/03/27(月)
それからというもの、俺の弁当に入ってるにんじんは、ずっと星の形をしてた。高校になってもそれは続いて、いい加減恥ずかしくなってきて「もういいよ」なんて俺が言っても、
「お前だってそれを見るたび恥ずかしい過去を思い出せるだろ」って冗談めかして笑ったっけ。
そんな父も、今年結婚をした。
相手は俺が羨ましくなるくらい気立てのいい女性だ。
結婚式のスピーチの時、俺が「星の形のにんじん」の話をしたとき、親父は人前だってのに、またわんわん泣いた。
でもそんな親父よりも、再婚相手の女の人のほうがもらい泣きしてもっとわんわん泣いてたっけ。良い相手を見つけられて、ほんとうに良かったね。
心からおめでとう。そしてありがとう、お父さん。
posted at 2012/03/14 21:41:08
lastupdate at 2012/03/14 23:01:22
【修正】
2010/12/05
[泣ける話]
三年前じいちゃんが死んだ。認知症+なんかの病気。
病名はおとんが教えてくれなかったし、聞くのが怖かった。
じいちゃんの認知症は突然始まった。行動言動がおかしくなった。
そこからは早かった。認知症は日に日にひどくなった。一人で何もできなくなっていた。
夜の徘徊だってあった。赤ん坊みたいに世話されてた。そこには全く知らないじいちゃんがいた。
そんなじいちゃんが怖かった。
その日からじいちゃんを避けるようになった。
結局、施設に行くことになった。うちだけじゃ手に負えなくなったんだ。
でも施設生活は長くは続かなかった。別の病気があったから。今度は病院に入院した。
他の家族はお見舞いに行っていた。でも自分は受験だから、と行かなかった。そんなの言い訳だった。
ガリガリに痩せて、家族のことも覚えていないかもしれないじいちゃんに会うのが怖かったから。
今思うと後悔してる。お見舞いに行ってあげれば良かったんだ。
それから一年ぐらいたった。その間、じいちゃんは別の病院に移った。
どうやら前の病院に遠まわしに「出ていけ」と言われたらしい。
理由は知らない。でもじいちゃんはやっかいな患者だったのかもしれない。
俺んち金持ちじゃないし、認知症に病気まであったんだから。
自分がお見舞いに行ったのは年明けの寒い冬の日だった。
母親に年明けのあいさつをしに行こう、と言われた。その時の母親の目が状況の深刻さを訴えていた。
俺は察した。じいちゃんの状態が悪かったんだ。
一年ぶりに会うじいちゃん。病室に行くと、じいちゃんは寝ていた。起きる気配はなかった。
その姿を見てびっくりした。喉に管が通ってて、顔がガリガリに痩せていて、涙が出そうだった。
それから花を花瓶に入れたり、簡単な掃除をして帰ろうとしたときだった。
じいちゃんが目を覚ました。
目を細めて俺を見ていた。もしかして、視力も落ちてほとんど見えなかったかもしれない。
俺はじいちゃんのすぐ近くに行って顔を近づけた。
そしたら、じいちゃんが笑った。満面の笑みだった。俺のことを覚えていてくれた。
一年以上会いに来なかったのに、じいちゃんは笑ってくれた。すごくうれしかった。
「また来るね」そういって俺は病室を出た。笑顔のじいちゃんを見たから少し元気がでた。
それから数日後だった。早朝、病院から呼び出された。
病院に着いた時には、じいちゃんはもう死んでいた。静かに目を閉じていた。
悲しすぎる時って涙が出ないんだ、と初めてわかった。
今でもじいちゃんの笑顔が忘れられない。
病名はおとんが教えてくれなかったし、聞くのが怖かった。
じいちゃんの認知症は突然始まった。行動言動がおかしくなった。
そこからは早かった。認知症は日に日にひどくなった。一人で何もできなくなっていた。
夜の徘徊だってあった。赤ん坊みたいに世話されてた。そこには全く知らないじいちゃんがいた。
そんなじいちゃんが怖かった。
その日からじいちゃんを避けるようになった。
結局、施設に行くことになった。うちだけじゃ手に負えなくなったんだ。
でも施設生活は長くは続かなかった。別の病気があったから。今度は病院に入院した。
他の家族はお見舞いに行っていた。でも自分は受験だから、と行かなかった。そんなの言い訳だった。
ガリガリに痩せて、家族のことも覚えていないかもしれないじいちゃんに会うのが怖かったから。
今思うと後悔してる。お見舞いに行ってあげれば良かったんだ。
それから一年ぐらいたった。その間、じいちゃんは別の病院に移った。
どうやら前の病院に遠まわしに「出ていけ」と言われたらしい。
理由は知らない。でもじいちゃんはやっかいな患者だったのかもしれない。
俺んち金持ちじゃないし、認知症に病気まであったんだから。
自分がお見舞いに行ったのは年明けの寒い冬の日だった。
母親に年明けのあいさつをしに行こう、と言われた。その時の母親の目が状況の深刻さを訴えていた。
俺は察した。じいちゃんの状態が悪かったんだ。
一年ぶりに会うじいちゃん。病室に行くと、じいちゃんは寝ていた。起きる気配はなかった。
その姿を見てびっくりした。喉に管が通ってて、顔がガリガリに痩せていて、涙が出そうだった。
それから花を花瓶に入れたり、簡単な掃除をして帰ろうとしたときだった。
じいちゃんが目を覚ました。
目を細めて俺を見ていた。もしかして、視力も落ちてほとんど見えなかったかもしれない。
俺はじいちゃんのすぐ近くに行って顔を近づけた。
そしたら、じいちゃんが笑った。満面の笑みだった。俺のことを覚えていてくれた。
一年以上会いに来なかったのに、じいちゃんは笑ってくれた。すごくうれしかった。
「また来るね」そういって俺は病室を出た。笑顔のじいちゃんを見たから少し元気がでた。
それから数日後だった。早朝、病院から呼び出された。
病院に着いた時には、じいちゃんはもう死んでいた。静かに目を閉じていた。
悲しすぎる時って涙が出ないんだ、と初めてわかった。
今でもじいちゃんの笑顔が忘れられない。
posted at 2012/03/24 14:39:07
lastupdate at 2012/03/24 14:39:07
【修正】
2010/12/11
[泣ける話]
5 :大人になった名無しさん :04/02/09 18:50
小4の時の1月15日連休最初の日だっけかな?
いつものメンバー5人で俺の住んでたマンションで遊んでいた。
あん時はミニ四駆を廊下で走らせて騒いでは、管理人さんによく怒られたもんだ。俺は改造が下手でいつも遅かった。
俺はどうしても1番になりたかったからそん中のやつに改造をお願いした。休み終わったら学校に持っていくわと言われてかなり楽しみにしてた。
その休み明け、それが1月17日震災の日だった。
俺は電球の傘にぶつかって額を切ったがなんとか無事だった。
避難した公園にいつもの奴らが集まってきて4人揃ったが、後1人こない。
心配になって4人とうちの親父とでそいつの家の前に行ってみた。光景は悲惨なものだった。1階部分が見る影もなく2階しかなかった。
そいつの姉貴が2階で寝てたらしくて無事に出てきたが、ワンワン泣いていた。
「お母さん、お父さん、〇〇、何してんのよ早くねてらんと早く出てきてや。」
俺たちもその前で立ち尽くすばかりで、何もできずそれぞれ親戚の家や知り合いの家に避難することになってしまった。
そして2月に入っての新聞。
死亡者名の欄にあいつと、あいつの両親の名前が載っていた。
俺はそれを聞いて地元にいったん戻った。
2月20日の合同慰霊祭。あいつと対面したのはその日だった。
スプレー塗装が剥げてるボロボロのミニ四とメモを、やつの姉貴が渡してくれた。
メモには「ちょっとオマケでスプレーもしといたで。
これでお前もいっちょまえになれるな
次走るとき楽しみにしてるで」
「いつ走るねんや。アホが」涙で言葉はそれしかでなかった。
あれから9年、色あせてもう動くことはないだろうミニ四。
今も部屋の机の上に置いている。
小4の時の1月15日連休最初の日だっけかな?
いつものメンバー5人で俺の住んでたマンションで遊んでいた。
あん時はミニ四駆を廊下で走らせて騒いでは、管理人さんによく怒られたもんだ。俺は改造が下手でいつも遅かった。
俺はどうしても1番になりたかったからそん中のやつに改造をお願いした。休み終わったら学校に持っていくわと言われてかなり楽しみにしてた。
その休み明け、それが1月17日震災の日だった。
俺は電球の傘にぶつかって額を切ったがなんとか無事だった。
避難した公園にいつもの奴らが集まってきて4人揃ったが、後1人こない。
心配になって4人とうちの親父とでそいつの家の前に行ってみた。光景は悲惨なものだった。1階部分が見る影もなく2階しかなかった。
そいつの姉貴が2階で寝てたらしくて無事に出てきたが、ワンワン泣いていた。
「お母さん、お父さん、〇〇、何してんのよ早くねてらんと早く出てきてや。」
俺たちもその前で立ち尽くすばかりで、何もできずそれぞれ親戚の家や知り合いの家に避難することになってしまった。
そして2月に入っての新聞。
死亡者名の欄にあいつと、あいつの両親の名前が載っていた。
俺はそれを聞いて地元にいったん戻った。
2月20日の合同慰霊祭。あいつと対面したのはその日だった。
スプレー塗装が剥げてるボロボロのミニ四とメモを、やつの姉貴が渡してくれた。
メモには「ちょっとオマケでスプレーもしといたで。
これでお前もいっちょまえになれるな
次走るとき楽しみにしてるで」
「いつ走るねんや。アホが」涙で言葉はそれしかでなかった。
あれから9年、色あせてもう動くことはないだろうミニ四。
今も部屋の机の上に置いている。
posted at 2012/03/14 22:08:01
lastupdate at 2012/03/14 23:08:16
【修正】
2010/12/14
[泣ける話]
ぼくの友人が、ある女性に激しい片思いの恋をした。
結果的に実らず、今ではその彼女は東京で別の彼氏と暮らしている。
ところがそいつが突然会社も辞めて
生まれ育った大阪の地から東京に引っ越してしまった。
理由を聞いたところ彼はこういった。
「彼女が幸せに暮らしているならそれでいい。
住所も知っているけど会いに行ける訳ないし絶対行かないと思う。
東京に行くといつもこう思うんだ。
あの人が息を吐くだろ。俺が息を吸うだろ。
それはつまり一つの空気をやりとりをしてるという事なんだ。
雨がふったら同じ雨に濡れるという事なんだ。
ホテルの窓から夜景を見ると、いつも思う。
あの光のどれか一つがあの人の住んでいる家の窓の明かりだ、と。
彼女がいないということは俺が存在していないという事と同じ事なんだ。
彼女が近くにいるというだけで生きていける。
大阪にいるとね、それがないんだ。
死んでいるのと一緒なんだ。
だから東京に住むことに決めたんだ」
僕はこれを聞いて不覚にも落涙しそうになった。どうしようもない奴だ、と思った。そんな糞の役にも立たないセンチメンタリズムをかかえていて、どうやって生きていくつもりなのか、と腹も立った。
頭ではそう考えているのだが、身体の奥のどこか不可視の部分がざわざわと揺れ動いて共感を訴えてくるのをどうしても止めることができなかった。
らも氏のエッセイから
posted at 2012/03/14 18:32:34
lastupdate at 2012/03/14 18:32:34
【修正】